鈍り始めた靴の音たちを掻き分けて翔ぶ。

土曜日に上野の国立博物館でやっていた野外シネマに行ってきました。



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上映作品は、宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜

この作品、小さい頃に母と一緒に観たうっすらした記憶がある。


改めて観てみたら、すごく素敵な映画。


無感情なジョバンニとカンパネルラの瞳が綺麗。

原作また読んでみようと思う。




今は石田衣良の「再生」を読み終わって、この間の芥川賞受賞作品、芸人又吉直樹著者「火花」読み途中。

祖母が買ったというので借りて、祖母がかなりの酷評を述べていたので、どんなもんかと読んだのですが、半分くらい読んで私は好きかも。

自分語り的なところが嫌な人は嫌なのかもしれない。


風景描写と人間の感情と、どちらも表現が美しくて、幻想的すぎずにチラ見せしつつ理性的で。

こういう文章の書き方する人好き。





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私事では、昇給。

契約期間も延びて、まだちょっと迷いはあるけれど、とりあえずはしばらく今の会社にいることにしようと思う。


でも胡座をかかずに、というかかけないので、ちゃんとモチベーション上げて、更に上のスキルを個人的に身につけよう。


昨年末から手をつけたものが、割と性に合っていて、楽しくて、夏に受けた資格試験で合格した。

その資格のワンランク上を目指すとともに、そこに関連しそうなことを勉強してみる。


目標を持つのは大事だと思う。





専門学校時代の友人たちと会ったので、懐かしいな、と思いつつ、2人とも忙しくも楽しそうで、少し羨ましいなと思った。

自分もそうなりたかった。

けど、どちらにせよ、不慮のこととは言え、究極は自分自身が選んで今があるので、自分は自分であの頃思い描いていたものとは全然違う今を楽しく過ごすよ。



職場で就いている人が、よく言う言葉。

「死ぬわけじゃないから」

これに最近染まってきた。

私はするかしないか行動する前に迷ってしまうというかリスクを考えてしまうところが多分にあって、でも最近はこの「死ぬわけじゃないから」って思ってやってしまうことが増えてきた。

今までとにかく失敗を恐れて生きてきて、そうするための術とかは身につきはしたけれど、なんとなくそれで得た成功というのがあまり身に染みず、ぼんやりしていた。

やってしまうことで失敗もあるけれど、その分成功した時の喜びを感じられるようになってきて、嬉しい。



あとは人の話をきちんと聞けるようになったかも。

今までもきちんと聞いていたつもりだったけれど、返答としてなんとなくこう言って欲しいんだろうということを軽く口から出していた。

今はこちらが言うことと言わなくていいこと、の判断をするようになった。

土台が違ってきた。




とにかく今年は"余裕"というのがテーマで、各所で色々やってみて、こういうところで余裕が出てきたかもと思える。


多面的ではあるけれど、それが私で私が私であることに変わりないな、と思えた1年。

残り3ヶ月弱。


その辺が周りに恵まれて固まったのが早かったので、余白に手を伸ばす。



自分が在りたいスタンスが決まってしまってから、取捨選択も楽で、執着というものがなくなってきたような。


仕事面で今の状態を良し、とできるようになったのも。

過去の出来事も過去として受け入れて先への希望を持てるようになったのも。

大事にしていたのかわからないような仕舞い込んだ物理的な思い出を手放すのも。




失くしたものもきちんと自分の中に残っていく。

失くすことで本質的なところまで失くなる訳じゃない。

失くすことが怖くなくなった。



そのまま今の自分を保てる場所を広げていきたいなーと思うので、大好きな秋は落ち葉と一緒にサワサワと軽いステップを踏んでいこう。




日曜には久しぶりにBBQをした。

元料理人監修だったので、BBQってこんなハイクオリティだっけ。って何だか不思議でしたけれども、秋刀魚に帆立にお肉にパエリアにピザに焼きそばに…どれもこれも美味しくて幸せでした。

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あとは一番の仲良しの子に実家で採れた柿をいただいた。嬉しい。


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2等星スクエアの秋は仲間はずれ

静かな光に優しく本音を吐き出す夜の虫

引き締まりつつも柔らかい風を、深々と吸い込んで、指先に染み込ませる

「まあいっか」の背中は笑って、くすんだ街並みに溶けていく





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人を傷つけてしまうのと、人に傷つけられるのと、優しさと、どれが一番先なのかを考えると、在り来たりな"ありがとう"を叫びだしたくなる