月が黄色く描かれる嘘。

今週、ヴァージニア・ウルフという20世紀モダニズム文学の作家の名を知り、2002年公開の「めぐりあう時間たち」という映画を観ました。

ヴァージニア・ウルフ本人の1日と、著書である「ダロウェイ夫人」の主人公ダロウェイの1日と、「ダロウェイ夫人」の小説を愛読する女性の1日と、3つの1日が並行して描かれている作品。


また観ると思う。

そして「ダロウェイ夫人」を読んでみようと思う。





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"トリッキーさもわかってるから、俯瞰してないで出ておいでよ"



職場の先輩に夏始めに言われたこと。


今までの、何処にいても浮いた感覚が、"俯瞰"という言葉で外部から表現されて、心のざわつきがスッと引いた。


その一言が私のこの夏を作ってくれたと思う。


そこから少し試行錯誤した夏の間。

夏が過ぎて、結局は相変わらず。



俯瞰してるのが好き。

変わったのは好きになったこと。



今までこの浮遊感をどうにかしたくてどうにもできなくて、疲れていたけれど、今は好き。






マイナス感情の共有を特別としていた生き方。

夏にもがいた中で、私が笑うとみんなが笑うからすごい、と言ってくれた人。

マイナス感情の共有はもうしたくない。

一緒に笑っていられる人たちと一緒にいたい。



それだけ。







丸く空に穴を開けた月の下。

素敵な歌を電波に乗せて送ってくれた、5つ年上の銀色と、隣の席ののど飴と、気の強い長い黒髪を想う。

どんな歌だったかは、もう二度と思い出せないけれど。